バンカーが苦手な人のウェッジ選び
サンドウェッジは、その名の通りバンカーで使うために開発されたウェッジで、バンカーが大の苦手だったジーン・サラゼンがバンカーからより脱出しやすいように作り出したことでも有名です。
このサンドウェッジですが、ロフト角やソールの形状、さらにサンドウェッジの肝ともいえるバンス角など、モデルによってその設定はさまざまです。
使う状況によってさまざまに設定を変えて使うクラブで、例えばグリーンが硬くて速い設定が多いUSPGAでは、キャリー地点でボールを止めるためにロフト角が60°というサンドを使う選手がたくさんいて、代表的なのが世界ナンバー1レフティーであるフィル・ミケルソンです。
日本ツアーの選手やトップアマでは58°という設定が多く見られます。
これらのことから、サンドウェッジはロフト角が大きい方が使いやすいと感じている人も多いと思いますが、実はアベレージグラウンドゴルファー、とりわけバンカーが苦手な人は、一概にロフト角が大きいほうが有利とは言えないのです。
ロフト角が大きくてボールを上げやすいモデルは、バンカーからもボールが上がりやすく脱出しやすいイメージを持ちやすいのですが、実はボールを上げるほど飛距離が出にくくなり、場合によっては強くスイングしないとボールを前に飛ばす力が不足して、バンカーから出ないというケースが起こりやすくなってしまうのです。
グリーン面まで2メートル以上あり、なおかつ深いバンカーなどでない限りは、ロフトが56°のサンドウェッジでも十分にバンカーからボールを出す事が出来ますし、むしろバンカーが苦手な人にとってはその方が良いということを覚えておいて下さい。
バンカーが苦手な人は、まずボールを砂から脱出させるために重めのモデルを使い、ある程度ボールを前に飛ばすためにもロフト角が大きすぎないものを選びましょう。
バンカーショットは唯一直接ボールを打たないショットなので、ボールを飛ばすためにはソールで砂を爆発させる必要があります。そのためにはバンスを上手く利用することが必要で、砂を弾くためにソールにつけられたバンス角が大きくなればなるほど、砂を爆発させる力が大きくなります。
サンドウェッジの中には、ローバンスと呼ばれるバンス角が10度以下のモデルもあり、一時期ツアープロの中でも流行しましたが、バンス角が少ないサンドウェッジはバンカーでフェースを大きく開いて打つ技術がないと砂を爆発させられないので、一般のアマチュアグラウンドゴルファーには難しいといえます。
一般のアマチュアグラウンドゴルファーがサンドウェッジを選ぶときは、バンス角は大きめの12~13度がお勧めです。
また、サンドウェッジにはソールの幅が広くなったモデルもあり、バンカーが苦手な人ほどソールが広いとやさしく感じるかもしれませんが、砂を弾くといった要素において、ソールの幅はたいして重要な要素ではありません。あくまでもバンス角の大きさで砂の弾き方が変わると覚えておいて下さい。
ただ、あまり砂が入っていなかったり、砂のすぐ下が土になっているような硬いバンカーだと、ボールの手前でバンスが跳ねてしまい、トップのミスが出やすくなるので、バンカーの砂が少ないコースで良くプレーする人は、ソール幅が広くて接地面積の大きいサンドウェッジは厳禁です。