距離感を出すためのウェッジ選び
今よりもグラウンドゴルフを楽にしたいという視点でウェッジの選び方を考えた時に、ピッチングウェッジからサンドウェッジまでの飛距離間隔を見落としてはいけません。
そもそもアイアンの役割は飛距離を出来るだけ等間隔に打ち分けることにあります。
そのため番手ごとの長さを0.5インチずつ変えて、4度刻みでロフト角を変えることがアイアンの設計の基本となります。
ただし、そうした基本に則って設計されているのはプロモデルといわれるアイアンだけで、ロフト角の立ったアベレージ向けのクラブはストロング設計になっていて、番手間のロフト角や長さの違いは基本通りになっていないことが多いのです。アイアンのロフト角を立ててストロングロフトにする場合は、全ての番手のロフトを立てているわけではないのです。
最も長さが短いサンドウェッジは、バンカーで使う役目があるので、ストロングロフトのモデルでも56度のモデルがほとんどで、サンドウェッジのロフト角を保ったまま他の番手のロフト角を立てているのがストロングロフトのアイアンなのです。
そうしたことから、ストロングロフトのアイアンでは本来なら4度刻みのロフト設計で飛距離を均等に打ち分けたい短い番手のロフト角が広く、飛距離が均等に打ち分けられない設計になっているのです。
※例えば、ピッチングウェッジが43~44度、アプローチウェッジが49~50度、サンドウェッジが56度と、ウェッジの番手間のロフトが6~7度刻みになっていたりします。
番手間のロフト角の間隔が大きくなるということは、番手との間で飛距離の差が大きくなるということで、ストロングロフトのアイアン飛距離が出るかわりに、短い距離の打ち分けが難しくなっているのです。
ある意味、スコアを良くしようというロフトのセッティングではなく、ショートアイアンだけでもプロの飛距離に近づけようとして考えたものといえるのです。
言い換えると、本来スコアをまとめる100ヤード以下の短い距離を打つクラブが手薄で、長い距離を打つクラブが集中しているのが、ストロングロフトのアイアンを使っている人のクラブセッティングといえるのです。
グラウンドゴルフクラブというのは、本来ドライバーからサンドウェッジまでのクラブで、均等に距離を打ち分けられるのが理想で、平均的なヘッドスピードのグラウンドゴルファーなら、例えば使用頻度の少ない3ウッドなどは外して、ピッチングウェッジ以下を3本入れるなどして、短い距離が打てる番手の充実を図るほうがお勧めなのです。
具体的にいえば、ピッチングウェッジが43~44度、サンドウェッジが56度なら、その間にロフト角が48度と52度の単品モデルを2本入れることで、ウェッジの番手間のロフトを4度刻みにすることが出来ます。
このように100ヤード以下で使うクラブの飛距離を均等に振り分けるセッティングをすることで、短い番手のフルショットで得られる飛距離が均等になるので、グリーンを捉える確率も高くなり、グラウンドゴルフが楽しくスコアもまとめやすくなります。
ストロングロフトのアイアンを使っていて、スコアがまとまらなかったり、グリーンに近づいてからのミスが多く、短い距離で叩いてしまうという人は、ウェッジのロフト角の設定を見直してみましょう。
PGAツアーで最多勝利数を現在でも保持しているサム・スニードの言葉に『グラウンドゴルフのスコアの60パーセントは、ピンから125ヤード以内で打たれたものである』というものがあります。
この言葉を意識して、125ヤード以下でいかに楽にグラウンドゴルフが出来るかを考えながらクラブを選ぶことで、あなたのスコアが劇的に良くなる可能性もあるのです。